『ヒトガタハッパ』

紫雨飯店さんの同人シュー『ヒトガタハッパ』を買ってみた、っていうかアキバでデモってた画面見て衝動買いした。かなり面白いうえに比較的安いので超オススメしてみる。
具体的に言うと『ゲイングランド』と、『バトルガレッガ』or『バトライダー』と、『プロギアの嵐』or『エスプガルーダ』が好きな人は買ってよい。(ずいぶん狭いなw)


最初は「なんじゃこのバランス悪いボス」とか思ったりもしたんだけど、やればやるほど絶妙なバランスで成り立っていることに気づかされる計画的自爆シューティングでした。
そもそも俺は「稼ぐために自爆する」→「適度に死んだ方がランクが下がってラクになる」という設計が大嫌いなので、本作の「自爆が最大の攻撃力を持ち、それを利用しないと最初のボスを倒すことすら困難」というシステムのファーストインプレッションは最悪だった。
ところが、何回か遊ぶうちに印象は一転する。
操作するマシンは「自機」ではなく「使い捨ての量産型人形」であり、どいつもこいつも一長一短の能力でオールマイティーに使える奴がいない。もちろん「そこそこ使える奴」は、それなりに生産コストが必要になるし、1種につき最大12機までしか持てないのでゴリ押しはできない。前の面で稼いだ材料と生産コストの兼ね合いで、「安価な自爆要員」と「高価な局所突破要員」をバランスよく補充しなければならないのだが、量産すればするほどコストが下がる奴まで存在するため、その戦略性は異常に深い。
そして、ポイントごとに自爆させて交代させる必要が出てくるのだが、タイミングを図って計画的に死なないと単なるタイムロスになってしまう。弾幕を避けきって敵本体に特攻することで大きなアドバンテージを得られる、つまり「ランク調整のために自爆を肯定する思想」は本作に存在せず、「戦略的自爆の成功=弾幕に勝った」という評価として組み込まれているのだ。
さらに、どれだけ残機を増やしてもボス戦で時間切れになるとゲームオーバー直行! というシステムなので、ここで『ゲイングランド』的な戦略思考が必要とされる。単なる弾幕シューティングと思って遊んだらあまり面白くないのは当然のこと。
デフォルト8種類の人形を与えられ、「どれを何体生産していくか?」「どの順番で出撃させるか?」「どのタイミングで自爆して交代させるか?」という判断を、弾幕の中でリアルタイム処理する必要がある展開は実にハード。だが、考えれば解法が目の前に見えてくる、あとは自分の操作でそれを実行できるかどうかだ。
さらに、ゲームを進めていくと「人形1種だけ+所持数の限界数廃止」とか「全種類1機づつで出撃して途中エクステンドなし」の特殊モードが出現、クリアまでの戦略がそれまでとは大きく変わってくる。このあたりの「隠し要素解放のタイミング/順序」も見事としか言いようがない。
あえて残念な点を挙げるなら、音楽とボイスかなー。同人だから贅沢は言えないし頑張ってるほうだとは思うし、セリフに様々なネタが混入してるのは楽しいけど、システムの出来が良いだけに目立っちまいますね。
あと、最初のボスがちょっと強すぎる(知らないと理不尽に殺されるようにしか見えないし、それが少々わかりづらい)のもマイナス点なんですが、そんなことはさておいて十分楽しいので、ちょっとでも興味を持たれたマゾゲーマーの諸兄はどうぞ買っちまってください。