ズンピコ?

インベーダークッキー。味は普通。

(ネタ元→「自然体。」様)

タイトーchiptuneムーブメントへのアプローチとも思える企画のようですが、試聴ファイルを聴いた感じ、何かを勘違いしているような疑念を持たずにはいられません。「音源回帰」的なアレンジを狙ったのは理解しますが、ポリ数減らして音色を単純にしただけ? そんなアレンジ、わざわざ作曲者ご本人様が取り組む仕事なんでしょうか?
「時代を全速力で逆行するこの努力」と、OGR様が仰られていますが、レトロサウンド賛美の方向を間違えて逆走しておられないかと心配です。

……拙者にしては珍しく辛口批評ですが、配信予定曲のリストを見る限り、「過去に配信した楽曲のデータをリサイクルすることで作成可能な曲」が多いようです。また、それ以上に解せないのは「音源の魅力を全く引き出していない音の鳴り方」。少なくとも携帯電話に搭載されたFM音源は、コストや機能面を削りまくった「妥協の産物」でしょう。しかし「妥協音源」だったのはアーケード基板でも同じだったはず。限られた範囲で面白く聴かせるのがズンタタのお家芸だったのに! なんですかこの不完全燃焼なサウンドは!

今、chiptuneを聴いて楽しく思えるのは「旧世代音源の魅力を極限まで引き出す」という本質を理解した方々が熱心に作ったデータがネット上にゴロゴロしているからであって、「昔のポリ数が少なくてスカスカな曲」を懐かしんでいるだけではないはず。
親会社である京セラ(もの凄い勢いでケータイ作ってる)の意向も無視できないのかも知れませんが、素晴らしい才能を持った「ズンタタ」という集団を、こんなくだらない事業に使い続けているタイトーの現状、全く評価できません。

まあ、そういう拙者も昔は着メロ作りに没頭した日々があって、「PSG単音×64ステップ」の苦しすぎる範囲で、ゲーム音楽を無理矢理表現することが楽しかったんですよ。でも、その面白かった時間はあっという間に終わります。
少し年月が経って3和音とか16和音のマシンが発売されたら、もう面白いと思えなくなってしまったんですね。「ダウングレードする」という、考える作業が楽しかったのであって、再現するコトに価値を見ていたのではなかったのです。つまり、完全(に近い)再現が可能なのであれば、そこにオリジナリティーが入り込む余地はないと。

現実的な話として、ケータイの最新機種に搭載される音源は既にPCM中心に移行しています。こんな様相を見ていると、'90年代後期のアーケード基板を見ているようで悲しすぎますし、「着メロ」という文化が急速に廃れゆく予定であることも簡単に予想できます。

ていうか、いまだにアステルのAJ-51(PSG3和音×64ステップ)を使い続ける拙者なんですが、致命的な不便は感じてません。
次のマシンに買い替えるとしたら……自分で30秒ぐらいサンプリングさせてくれる機能があればそれだけでイイです。

今日は特にオチもなく終了。