『SEGAAGES 2500 Vol.21『SDI & カルテット 〜SEGA SYSTEM 16 COLLECTION〜』

猛烈に気になってたソフトなワケですが、セガ公式コミュニティにて、プロデューサーの奥成洋輔氏がステキな発言を出しておられるので引用。

PS2版ソフトではすべてのゲームのサウンドテストモードを独自に装備しています。
ですから前述のマーク3版『SDI』も(エミュレーション版ではありますが)サウンドテストで好きなだけ聴くことが可能です。
アドバタイズにしか流れないあのしっとりとしたBGMもばっちり聴けます。
またPSG版『スペースハリアー3D』が好きな人は、サントラ未収録のPSG版にして聴くことができます。
こんな素敵な、オリジナル版には無いサウンドテストを付けられたのはひとえにサウンドクリエイター・並木学さんのご協力があったおかげです。並木さんありがとうございます。

そう、それそれ! 「あのしっとりとしたBGM」! どうしても効果音が入っちまうその曲の完全版がやっと聴けるですか!
そして僕の中でさんたるる様の神レベルがまた一つ上がりました。

俺たちは、ケータイ=ゲーム機であるご時世を認められるか?

すごい今さらな話だけど、ケータイ用のゲームが危機を迎えていると思ったりする。
こんなことを思ったきっかけは、ドラゴンソフトエンターテイメントというメーカー(スミマセンこの会社今始めて知りました)が、ケータイ向けに『旋光の輪舞』『カオスフィールド』『翼神 ギガウイングジェネレーションズ』を移植するんだとかいうニュース。
ボス、ほんきですか?
ケータイで? あの弾幕を?
さらに、ナムコこんなことを言っていたりする
うーん、興味はあるけど遊んでみたいとは思えない。それに、どうせ俺のケータイ(Vodafone702NK)じゃどれも動かないよ!(たぶん)
以前、ケイブ『怒首領プチ』は遊んでみたいと思ったけど、結局遊べずじまい。
知り合いにiアプリ(あるアーケード作品のメーカー公式移植モノ)を少々いじらせてもらったこともあるけど、全然面白くなかった。
「究極チューンされたダウングレードの美しさ」を見てきた当方にとって、ほとんどのケータイゲームは劣化移植でしかなかった。操作性の悪さも目立つばかり。これならマークIII「アウアーアーアー」でもやってたほうが全然マシだ、という最低の評価を下して数年が経過した。
実際のところコレとかも気になってるけどさ、今の電話のボタン配置でまともに遊べるわけねぇだろとタカくくってるしー。
……でも、これから先、ケータイが超進化して、本当に面白い作品が出てきたら、自分はどう対応するんだろう? と考えるといろいろ不安になる。
ケータイゲームの黎明期をPHSで過ごしてしまった当方が悪い点もあるが、「ゲーム専門雑誌の大半がケータイゲームの文化を無視してきた」という事実も見逃せない。
大雑把な計算になるが、単純に「数千万台のシェアを持つコンシューマーハード」と考えてみれば、どれほど大きな市場を無視してきたかがわかる。そこに数百円でダウンロードできるゲームが大量に投入されているワケで、これを総チェック/レビューするのは一般ゲーム誌では不可能だったのだ。
キャリア毎に異なる多くの機種をチェックするのは困難だし、紹介記事にするために必須となる「画面写真」の自前調達は不可能に近い。そんなコストと手間のかかる記事を作ろうとするライターは少ないし、ゲーム雑誌出版側にも複数のケータイをチェックする時間なんてない。もちろん、スタンドアローンで動作するハード(またはエミュレータ)が、ゲーム雑誌向けに提供されていないことも、紹介記事になりにくい要因を作っていた。
結果、ケータイゲームの記事を作ることが出来たのは、一部のケータイ専門誌と、一部のネットコンテンツ、そして、コンテンツの製作元と配信キャリアだけで、「ゲームを良く知っているマニア層」にケータイゲームの情報が流れずに時間が経過した。
そういう歪みが修正されないまま、ケータイゲームはどんどん進化し、コンシューマー、アーケード、携帯ゲーム機、PC、に続くカテゴリとして成長してしまった。
仮に、ケータイは「携帯ゲーム機である」と言っても差し支えないレベルに来てしまったとする。それならそれで、いっそ通話性能やキャリアを気にしないで買える「アプリ専用機」が欲しい。
そうなったとして、あとは操作性の問題。なぜ、ケータイ電話のゲームは遊びづらい作品が多いのか?
これは、「過去作品の劣化コピー」(=「ファミコン的操作方法を必要とする」)を作ったなら、確実に「操作性が悪くて難しい作品」になる、という理由が大半。
ケータイ電話にこういう後付けデバイスを装着すること自体がナンセンスだと思うので、「拡張機器で何とかする論」は却下。機種固有のボタン配置、鈍い押下感、そういう操作デバイスであることを前提として考えられた作品でない限り、ケータイ向けの名作は生まれない(他にも押し間違いによる誤爆の予防、着信やメールなどの割り込みへの対応など、ケータイアプリならではのユーザーインターフェイスを意識する必要があるが、そういう点はさておき)。
そろそろ結論に入ると「ケータイ=ゲーム機」とは認めたくないのが本心ながら、ここまで成長してしまった文化なのだから、そろそろ認めざるを得ない状況になってきた……というのが大方の現状だろうか。
それに、ここらへんで配信キャリアがデータの保管と動作環境の確保を行なわないと、アーケードゲーム以上に「昔の作品を遊ぶのが困難」な未来になるような気もするし。(こっちの方が問題かも)

「プラスe」終了

株式会社 ジェイ・シー・エムがガストなどで展開していた「プラスe」のサービスが、9月末をもって終了した模様。

テーブルの下に端末が入ってて微妙に邪魔だったり、システムがWindows98だったので頻繁にバグってたとか、いろいろ問題があったのですが、個人的には好きなシステムでした。(実は一時期世話になってたゲーム会社で、コレ用のコンテンツ作ってるところ見てたこともあって、妙な思い入れアリ。)
「メシ食いに行くついでにそこでしか遊べないゲームがある」というインパクトは大きく、フルタッチオペレーションで遊ぶゲームには、既存のゲームハードが成しえなかった「新しい興奮」がありました。
事実上唯一の完全移植版として貴重だった『タッチ・デ・ウノー2』GBA版より直感的な操作ができて好感触だった『ZOOO』『パスループe』『STRAWS』なども良かった。
『バウンティーハンター』や、『飛び出す!ガンシューティング』など、タッチパネルだからこそ出てきた新しい操作感覚を持った作品も徐々に増えていました。
「プラスe」は、上手くすればゲーセン・家・携帯ゲーム機に続く「新しいゲームの場」になる可能性をも秘めていたと思うのですが、こういう結果になって大変残念です。
まあ、タッチパネル操作のワクワク感はニンテンドーDSとか、一部のカーナビに引き継いでもらうとして、問題は「このハードでしか遊べなかった作品は今後どうなるのか?」が一番心配です……っていうか結局「通信インフラ」を使ったビジネスが終わるときってこういうことになるんだから何とかしてくれ! 思い当たるフシが多々あるでしょ? 『サテラビュー』とか、『ランドネットDD』とか、『モバイルアダプタGB』とか、『ボンバーマンオンライン』とか、『KDDI回線使用マッチングサービス』とか、『X-BAND』とか……(みんな痛々しい思い出しか出て来ないのは何故なんでしょうか?)
ようするに、プラスeの資源を眠らせずに、WindowsかDSに移植してもらいたいところなんですがー。